どうも、えのきです!
今回はJR九州の九州地方担当「九州旅客鉄道(以下、JR九州)」についてご紹介します。
生活必需な交通インフラ「鉄道」。
その中でも九州の正中線、JR九州は買うべき銘柄なのか。
「え?JR九州?東日本とか西日本しゃなくて?」と思った方にこそ見ていただきたい。
特徴・財務・業績・株価・配当額(株主優待)の観点から分析していきます。
それでは、いってみよ〜!
JR九州の特徴
九州全域の鉄道会社である、JR九州。
運輸サービス、建設、不動産・ホテル、流通・外食、その他、この5事業を主体に活動しています。
観光列車が人気で、博多ー鹿児島中央間の「九州新幹線」が有名です。
ただし、JR九州は新幹線や在来線の「鉄道事業」よりも、不動産・ホテル、流通・外食といった「非鉄道事業」のほうが高い収益を誇っているのです。(コロナショック以前から)
また、すべてのJRの中で最も非鉄化が進んでおり、鉄道だけに頼らない経営がなされているといえます。
私鉄が沿線を開発してホテルや商業施設を建てるビジネスに近いです。
鉄道事業について、現在は新幹線・在来線ともに赤字となっています。
コロナショック前も、新幹線はまだ耐え忍んでいましたが、在来線は右肩下がり。
人が集まりやすい福岡を始めとする北九州ではなく、特に人口減少の激しい南九州がどうしても落ち込んでいます。
そんな在来線の赤字を非鉄道事業がカバーする形が近年の特徴です。
JR九州の財務・業績
JR九州の財務
自己資本比率 43.8%
=純資産÷総資産×100
持っているお金のうち自分のお金(純資産)の割合がどれくらいかを表します。
自己資本比率は下がり気味でHP(ヒットポイント)を削りながら経営している状態です。
ただし、自己資本比率は40%以上あれば倒産しにくい企業といえるので、十分に高い水準での下げといえます。
まだあわてるような時間じゃない、ですね。
有利子負債倍率 0.67倍
=有利子負債÷営業CF
有利子負債とは、金利を上乗せして返さなければならない借入金や社債のことです。
営業CF(営業キャッシュフロー)とは、1年間に事業によって増減した現金の額をいいます。(目安は1倍)
つまり有利子負債倍率は、1年間に働いて生み出すお金の何倍の借金があるかということを指します。
何年働けば借金が返し終わるか、という意味にもなります。
2021年3月期に総資産が増え、自己資本が減っているので、社債の発行や長期の借り入れによって資金を集めたことがわかります。
それでも、有利子負債倍率は1を下回っており、地盤は安定しています。
貯金を使いつつ、お金を借りて嵐をしのいでいるといった状態ですね。
JR九州の業績
JR九州は2017年3月期に上場しました。
前年2016年3月期に鉄道事業の評価損を計上し、当期純利益−4,330億円という大赤字を出した後に、です。
これは価値を適正なものに合わせて(不安要素を取り除いて)から上場した、ということですね。
そして、上場した翌年の2018年3月期には過去最高益を叩きだし、2019年3月期に過去最高売上4.4億円を記録しました。
上場してから順調かと思われましたが、通常であれば増収増益も見えていたのですが、あぁ、コロナショック。
2期連続で大幅な下げとなってしまいました。
ただ、通常であれば増収増益もあり得たという観点で見れば、おおむね真っ当な経営であったともいえます。
2022年3月期は黒字転換を予想していますが、鍵を握るのは当然「非鉄道事業」です。
鉄道事業から非鉄道事業へのさらなるシフトが大きな意味を持つ年となるでしょう。
JR九州の株価
株価 2,538円(2021-7-18時点)
2016年上場時、株価は2,600円でスタートを切りました。
初日から買い手が殺到し、約3,100円まで急上昇。
さらに高速鉄道ブームが豪華寝台列車「ななつ星in九州」の人気を押し上げたことで3,900円を突破し、3年ほど3,000円〜3,900円を維持していました。
しかし、コロナショックで2,055円まで下落、上がったかと思いきや、再び下がりコロナ前の株価には戻っていません。
2021年2月・3月に2,900円に近づくも跳ね返されて、現在も上場時の株価辺りをさまよっています。
2月〜7月で大きな三角持ち合いを形成していることからも近いうちに大きな変化がありそうですので、それを待つのもよいでしょう。
JR九州の配当額・株主優待
JR九州の配当額
2022年3月期の予想年間配当額 93円
権利配当日 3月末
配当利回り 3.66%
=予想年間配当額÷株価×100
2017年〜2018年で配当額を44.5円増額し、2019年3月期にはさらに10円増配して93円を維持しています。
他JR各社、私鉄が減配している中で93円から下げなかったのは、非常に株主還元意識が高いといえるでしょう。
2022年3月期も「配当金93円を下限として配当する」という方針を出していることからも、少なからず安心して持てる銘柄です。
JR九州の株主優待
優待1:鉄道株主優待券
片道の運賃・料金の5割引券
優待2:JR九州グループ株主優待券
JR九州グループの対象施設で利用できる割引券
優待3:JR九州高速船 株主優待割引券
高速船「クイーンビートル」の1名の往復運賃を特別割引で利用できる割引券
100株以上の保有で「株主優待」を受け取ることができます。
九州にお住まいの方にとっては特に魅力的ですし、そうでない方もこれを期に九州に足を運んでみるキッカケになるのでは。
対象施設や適用範囲などはJR九州HPでご確認いただけます。
JR九州の株は割安か
PER(株価収益率) 30.9倍
=株価÷予想1株当たり当期純利益
【計算式】PERとPBRって何?違いは?平均は何倍?目安は?わかりやすく徹底解説!
2022年3月期の予想損益は黒字転換といえども厳しい予想のため、PERは割安とはいえません。
それだけ期待値が高いともいえますが、まだ様子見でもよいでしょう。
PBR(株価純資産倍率) 1.02倍
=株価÷1株当たり純資産
【計算式】PERとPBRって何?違いは?平均は何倍?目安は?わかりやすく徹底解説!
さすが自己資本比率(純資産の割合)が高いだけあって、PBRは割安に見えます。
安定した財務があるからこそ、コロナの影響で業績が下がっていても期待されているのでしょうね。
確かに
コロナワクチンを摂取した人の割合が増える
→外に出る人が増える
→在来線の乗客数がある程度増える
→出張する人、旅行する人が増える
→新幹線の乗客数も例年に近づく
→業績が上がる
→株価も上がる
と予測することができますが、それはある程度株価に反映済み。
ですから、やはり急いで買いに走る必要はないと思います。
まとめ
最も非鉄化の進んだJRにして、九州の大動脈、JR九州。
そんなJR九州が現在目標に掲げているのが、在来線のコストを非鉄道事業で補うことを特化させた「戦略的まちづくり」です。
人が多く集まる北九州では開発・開拓までを含めた収益化を目指し、人口減少下にある南九州では駅を生かしたビシネスを押し進めています。
今後もコロナウイルスのような未曾有の危機があった際に、事業が分散されている企業銘柄は投資家にとって1つのリスクヘッジになりますね。
地方活性化の先駆けとなり、日本の底力を見られることを願っています。
では、ほなね〜!
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